


次に大きいのが、一人オーナーにかかる税金です。
一人オーナーは税金が高くなると、よく聞くお話です。
会社法改正で資本金が0円でも会社ができてしまう時代になりました。
だれでも社長になれる時代に「個人と法人で全く業態は同じなのに
法人だけ税金が安いのは公平でない!」と国税庁は考えたのです。
そこで、「株の90%以上をオーナーがもっていて、役員もオーナー一族ばっかりという会社は個人と同じだから役員給与のうち、給与所得控除を認めない!」という恐ろしい法律です。給与所得控除というのは、「給与をもらったうち、その中からスーツや鞄など働く為に必要な経費を一定額まで認めていた法律」です。
どれぐらい税額が変わるか計算してみましょう。
仮にシンプルに社長様の給与を1500万円、会社の利益は500万円として計算してみましょう。この場合、給与所得控除220万円が認められません。
この場合、一人オーナーに該当すると70万円近くの大増税になります。
では、この一人オーナーを回避するにはどうしたらいいでしょうか?
そうです。株式の11%を誰かにもってもらえばいいのです。
奥さんですか?駄目です。基本的に親族は駄目なのです。ギリギリで奥さんのお父さんOKですよ。ここはややこしいです。
さて、もう一つの回避方法。役員の数です。
従業員さんになる予定の方はいますか?その従業員さんに役員になってもらいましょう。
やはり、会社設立後に従業員さんに役員になってもらうと税務署からもあらぬ疑いをかけられます。
一人オーナーの基準では役員の数50%はギリギリセーフなのです。奥さんが働いていて給料をもらっている場合は基本的に役員は2名になります。
その場合は、他に2名の方を役員として会社に入ってもらいます。
ここも、奥さんが役員になるか微妙な部分で、また形式的に役員としただけは不可です。

会社の資本金、これも会社を設立した後に、「こんなはずじゃなかった」とはよく聞く話です。
会社の資本金はいくらにしたらいいでしょうか?
資本金はいくらでもいいので悩みどころです。
もし、銀行から借りる予定が無いなら、小さい金額で構いません。
後の「ほとんど無利息でお金を借りる方法」との絡みでお金を借りる予定があるならある程度必要です。
また、取引先への信用問題や対外的にかっこよくしたいというのであればある程度あったほうがいいでしょう。
ある程度とはいくらでしょうか。1000万円あると以前の株式会社の資本金なのでかっこいいですね。でも、1000万円は税務上不利です。
1000万円未満であれば2年間消費税がタダなのです!
仮に売上を1億、仕入が5千万円としましょう。その場合、消費税は250万円です。
これが2年間で500万円も税金が安くなるのです!
資本金が大きい方がかっこいいというのであれば、裏技として2期目に入ってから増資して1000万円以上にするといいですよ。これでも2期目の消費税はタダです。
3年目からの消費税を安くする方法として売上に一定率をかけて計算する簡易課税の選択があります。1年目の売上が5000万円以下なら選択できます。
しかし、場合によっては原則課税が有利ということもあります。

会社設立後に悩む問題として役員報酬の金額があります。
とても難しい問題です。
安くしすぎると、会社で利益が大きく出た場合にはせっかく儲けたお金が法人税として逃げていってしまいます。多くしすぎると払いきれません。
一旦決めた役員報酬は翌期にならないと変えてはいけません。
変えた場合には増えた分は役員賞与として経費になりません。法人税が取られてしまいます。仮に増えた分が500万とすると150万円近くの法人税を負担しなくてはいけません。
ここにも裏技があります。売上・利益予測をしっかり行い、多めに役員報酬を設定しておき、お金が足りない場合は、未払いとして経費に入れておきます。会社が赤字になった場合は繰越欠損金となります。この繰越欠損金は以後7年間の黒字と相殺し税金を安くしてくれるありがたい存在なので有効に活用します。
しかし、役員報酬を多くしすぎると会社の利益によっては先ほど解説した一人オーナーの税額の負担や所得税・住民税の税負担が多くなります。

資本金が1億円以下の会社は400万円まで支出額の90%まで経費になります。
年間の交際費の支出額が400万円を超える場合は役員報酬として支払った方が有利になります。ただ、役員報酬の金額によっては交際費にせず役員報酬として支払ったほうが有利なケースもあります。
また、平成18年の税制改正で交際費のうち社外の人との飲食で一人当たりの金額が5000円以下であれば、90%でなく全額損金となりました。
@ 一人当たり5000円まで
A A 社外の人との飲食。(お土産等は×)
B B 領収書等に相手の会社名、氏名、人数を明記
この要件はかならず守ってくださいね。
少し、細かいですがしっかり習慣づけておけばなんでもありません。
1円でも少なく納税しましょう。

裏技として従業員さんに賞与を出す方法です。
決算ギリギリですので支払いは後日にして未払金がOKなのです。
しかし、未払金とするための要件は厳しいです。
実際に各従業員に賞与明細のような形で各人に決算期末までに知らせます。
実際に経費として損金計上します。
翌期1ヶ月以内に実際に支払います。
また、注意点として役員への賞与は認められません。
従業員兼務役員さんについては従業員部分にのみ賞与が認められます。
この要件は厳しいのでしっかりと顧問税理士に相談をしてください。

決算ギリギリに大きな固定資産を購入しても経費に入れられるのはごく一部です。
どうせ支払うなら、どうしても必要なものに支払い、なおかつ全額、即経費になった方がお得ですよね。
そんな都合のいい話・・あるんです。
今、支払っている家賃。これはどうしても支払わなくてはいけない経費です。
来月の分も、その次の月の分も・・経費に入れられます。
なんと1年先まで経費にいれられます。
一ヶ月の家賃が10万円ですと、一年分で120万円まで。税額にすると約36万円も税額が安くなります。
通常、家賃の支払は当月分を当月支払、もしくは翌月分を当月末までに支払いますよね。
それを先に1年分前払いしてしまいます。
ただ、要件がありますのでご注意くださいね。
1年以内の期間の経費
毎期継続して支払った日に経費計上
契約に基づいて継続的に役務の提供を受ける為に支払った経費
家賃の他、賃借料、顧問料なども該当します。
要件
「原則」ではダメですが例外があるのです。それが「短期前払費用」の規定です。すなわち、前払費用のうち地代家賃、保険料、支払利息のように継続して支払う費用については、その支払った日から1年以内のものであれば、全額その期の費用とすることができます。
例えば、3月決算の会社が、4月分の家賃を3月中に支払ったとしましょう。4月分の家賃は本来翌期の費用ですが、3月中に支払っていればその期の費用として処理できます。さらに節税に役立てようと考えた場合、3月末までに1年分の家賃を前払いする契約に変更してもらえば、翌期分の家賃をその期の費用として計上できるようになります。
なお、「短期前払費用」の規定を利用する際に注意すべき点があります。
(1)決算期末までに実際に支払うこと(未払いではダメです)
(2)毎月継続して発生する費用であること(1回限りのものではダメです)
(3)支払った日から1年以内の費用であること(2年分をまとめて前払いした場合は使えません)
(4)毎期継続して適用を受けること(一度適用を受けたら来期以降も同じ処理をして下さい)

会計事務所が作成している決算書の固定資産と実際の固定資産の状況が違うことがよくあります。例えば、以前に会社で古くなった固定資産を廃棄して会計事務所に知らせていなかった・もしくは会計事務所が確認しなかったといった場合です。
こういったものを、もう一度厳しくチェックして経費として落としましょう。節税ができるだけでなく、会社の実態と決算書を合わせることができます。
その際、原則としては廃棄した日に遡って修正申告をします。
廃棄した日が分からない場合等は、実務上チェックして気が付いた日に落とすこともあります。
また、裏技として実際に固定資産はあるのに全く使用していない機械などがある場合も廃棄損を計上することができます。その際には、スクラップとして下取りに出せる金額を残して差額が経費に計上できます。

遠くまでよく出張に行く社長様も多くいらっしゃいます。
この出張も節税方法がありますが、中小企業ではほとんど使われていません。
出張の際にはなにかと経費がかかるものです。
例えば、昼食を取るにも車内の高いお弁当しか手に入らなかったり、待ち合いで喫茶店で時間を潰したり、その他細かい経費がかかってしましい、全ての領収書を集めておくのは困難です。
そこで、出張旅費として一律に支給してその中で精算をしましょう。
@ 所得税が課されずに支給できます。
A 支給した金額から消費税分を引くことができます。
気になる出張旅費として経費に入れられる金額ですが、例えば社長ならば1日当たり5千円、取締役は4千円、従業員は2千円といった金額ならば否認される可能性はないといえるでしょう。
例えば社長様に年間60日の出張があったとします。
すると、年間で30万円の経費になります。
法人にかかる税金を40%で計算すると12万円の節税です。
さらに、消費税が1万5千円程節税になります。
さらに、社長様個人には税金はかからずに受け取れます。
注意点としては、出張旅費規程をきちんとそろえておくこと・そして出張報告書を記載して、しっかりと出張の事実を残しましょう。
上記の金額は会社の規模や役員給与の額により、一律にどの金額なら大丈夫とは言えませんので会計事務所で相談をしてください。

売掛金、貸付金、受取手形・・滞っている債権はありませんか?
お金が入ってきていないのに、その分の税金を支払わなくてはいけない。しかも、金額も巨額のケースが多く、ホントに頭に来ますよね。なんとしても回収できない分は経費にしたいものです。
まず、貸倒の要件というのは非常に厳しいです。
債権者集会での債権の切捨ての決定や会社更生法の適用などで回収できないことが明らかに確定した場合
相手の債務超過が数年継続し、回収の努力をしたにもかかわらず回収できず、書面で債権を放棄した場合
相手の資産状況、支払い能力から全額が回収できないことが明らかになった場合は、時間が相当かかり、なかなか適用になりません。
しかし、その途中の段階では貸倒引当金として経費に計上することができます。
例えば、民事再生法の規定による再生計画認可の決定が行われた場合は5年以内の回収予定額を除いた金額を経費にすることができます。
その他、会社更生法や民事再生法の申し立ての開始等があった場合には、債権額の半分を貸倒引当金として経費にすることができます。
は、決算書が取れたなら債務免除通知を送るか、確認書をとるなどして、債権を放棄しましょう。
例えば、300万円の債権があり実情から考えて全額の回収はどう考えても不可能とします。この場合、250万円分を放棄して50万円だけ回収を続けると、100万円程の節税になります。うまくいけば50万円も払ってもらえるかもしれません。
これは、債権回収の相手先がどこかに引っ越していなくなってしまった場合に使います。証拠として、請求の郵便物等を出して住所不明で返ってきた郵便物などを使います。
さて、上記@〜Bのケースは難しいですしかし、回収が難しい売掛債権には別に経費にできるケースがあります継続的な取引から生じた売掛金であること取引先との取引停止後1年以上たっていること
この場合には1円を残して貸倒として経費にすることができます。

先のご紹介した、退職金を使った節税についてですが、働き盛りの社長が非常勤の会長となると、報酬は半分以下になりますので困ってしまいます。
そこで、もう一つ会社を作りそこで社長としてまた常勤で働いていただきます。
しかも、こちらの会社でも非常勤の会長になり、その後退職すれば、さらにもう2回退職金を受けることができます。
さて、もう一つ会社を作るメリットは退職金の他にあるでしょうか?
まず、交際費等の金額の制限があります。
資本金が1億円以下の法人の場合は年間400万円までの額が90%まで経費になります。2社あれば各社400万円づつで、合計の枠が800万円になります。
次に、法人税や事業税の税率も変わってきます。法人税の税率は年間の利益が800万円までは税率が22%で、それを超えると30%になります。
事業税は年間の利益が400万円以下は5%、400万円超800万円以下は7.3%800万円超は9.6%です。会社の利益は分散させた方が税金はお得になりますよね。
他には、消費税の簡易課税の適用が考えられます。
年間の売上が5000万円を以下の場合には、消費税の計算に簡易課税を選択することができます。普通の消費税計算はお客さんから預った消費税から仕入先に支払った消費税の差額を税務署に支払います。ところが簡易課税では業種により売った金額の90%〜50%を仕入額とみなして計算することができます。
お給料には消費税をつけて支払っていません。経費が人件費ばかりのところでは、簡易課税を選択したほうが圧倒的に有利になります。
5000万円以上売上がある法人でこの簡易課税を選択したい場合は、もう一つ会社を作って売上を分散することにより可能になります。
例えば、ソフト開発の会社で売上が8000万円。経費は全て人件費だとします。原則課税では消費税は400万円ですが、簡易課税では半分の200万円になります。
もし、将来上場を狙っているのであれば、そのときにまた会社を合併すればいいのです。
問題点としては、経理の手間が増えたり、会計事務所へ支払う顧問料が増えたりする点にあります。
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