

(1)
管理するものを必要最低限に減らす
管理するものが多いと仕事が増えます。現金、預金口座、在庫、売掛金、固定資産等の管理は可能な限り減らしていきましょう。
具体的には、まず、小口現金をなくします。キャッシュレスにすると何がいいかと言うと、 金庫番をおかなくてすみます。 小口現金があると必ずそれを管理する人が必要になります。小口現金があるだけで、それを管理するという仕事が生じるわけです。
管理するということは、当然、経理担当者が小口現金の出し入れを行い、その都度、入出金の取引内容を現金出納帳に記録し、金庫の現金を数えて現金出納帳の残高と照合しなければなりません。
そして1日の業務終了後、上司の立会いのもとに、金庫の中の現金を数えて、1万円が何枚、100円玉が何個と金種別集計票に記録します。小口現金があると便利なようですが、このように、それを管理するというわずらわしい仕事が生じているわけです。
どこの会社でもやっていることなので、あってあたりまえ、ないと不便と思いがちですが、通常どこの会社でも正社員が金庫番をやっていますので、その人件費はバカになりません。
小口現金制度を止めることで、金庫番の人件費がなくなります。 でも、小口現金がなくなったら、「小口経費の精算ができない。」という疑問が当然生じます。 これについては、次の経費精算のところで、まとめて説明いたします。
同様に、預金口座、在庫、売掛金、手形、固定資産などについても、できるだけ管理するもの自体をなくしていきます。
(2)
同じ作業はまとめて一括して処理する
何の仕事もそうですが、集中してやると効率が上がります。経理の仕事も同じです。毎日毎日やっている作業もまとめてやれば、1日でできます。
特に経理の仕事は、社外に直接影響がでるものが少ないので、社内のやり方を変更するだけで簡単に合理化できることだらけです。
典型的な例が、社員が交通費などを立替えて精算する場合です。多くの会社では、営業マンなどが、1週間に1度(ひどいところは毎日)、 自分が立替えた交通費の精算を経理に申請し、経理担当者(金庫番)から現金が支払われています。
こんなことが毎日毎日行われているのです。320円の交通費精算を毎日やられたらたまりません(でも実際に毎日やっているから驚きです)。
しかし、経理担当者は優しい人ばかりですので、「営業マンが会社の経費を個人的に立替えているのだから、早く精算してあげなければかわいそう!」 と考えてせっせと毎日精算してあげます。
この部分を読まれても、サラリーマンの人は何の疑問も持たないでしょうが、経営者は考えてもらわないと困ります。 320円の電車賃を精算するのに、いったいいくらの人件費がかかっているのでしょう?
そこで、発想の転換ですが、経費精算を毎月1回に限定してしまいます(どんな会社でも、月1回で大丈夫ですが、心配であれば、まず2週間に1回にしてください。その後、月1回の精算に段階的に移行してみてください)。
たとえば、各人の経費の精算は毎月月末締めにして、翌月5日までに経理に申請してもらいます。
ここでさっきの話に戻りますが、小口現金をなくしてしまったら、その精算はどうするのか?
勘のいい方はすでにお気づきだと思いますが、そうです、給料と一緒に銀行振込にしてしまうのです。 言ってみれば、残業代を精算して給料に上乗せして払うのと同じです。
経費精算は、毎日やると大変な作業ですが、月に1度まとめてやれば、半日で終わります。
また、給料振込みと一緒にすれば、 現金の出し入れ(実際にはつり銭がなかったり、小銭を用意したりと結構手間がかかっています)をする必要がなくなりますので、
集計とチェックだけなら、社員数50人の会社でも1時間もあれば終わるでしょう(このやり方に変えていただいた会社のほとんどは経費の集計をExcelなどで社員自ら集計してきますので、実質経費精算作業はチェックと給料計算システムへの入力だけになります)。
これを提案すると、必ず出てくる抵抗勢力(ベテラン経理社員)の反対意見は、「出張が多い人や立替え経費の多い人が困る」といったものです。
しかし、ほとんどの会社がそうであるように、全社員の99%以上の人の毎月の立替え経費の平均金額は、1万円未満なのです(残業代の方がよっぽど高額ですが、翌月にまとめて精算でも文句をいう人は誰もいません。要は決め事なのです。)。
たまたま出張があるとか、臨時の支払いがあるのはほとんど例外で、これにより合理化をしないという理由にはなりません。
また、このような臨時の支出があるのは、社長や幹部の方ですので、普通1ヶ月ぐらい個人で立替えていたとしても生活できないということはありません。
それから、金額の大きい支払いは、個人で立替えるのを止めてもらい、請求書を発行してもらって会社から支払うようにルールを決めましょう。
これを行った副次効果ですが、毎月の経費支出額が減少する傾向にあります (統計は取っていませんので、はっきりしたことは言えませんが、毎月誰がいくら使ったのかが明確になるので変な経費は申請できないのか、立替える期間が長いので必要のないものは買わなくなったのか、領収書をなくしてしまうのか…。でもなぜか確実に減ります。)。
同様に、伝票入力、支払、領収書や請求書の整理などの経理作業も特定の日を決めてまとめて処理するようにすれば、大概のものは1日で終わります。
(3)
繰り返し作業はパターンとしてシステム化する
経理の仕事は同じ作業の繰り返しです。したがって、今月やった作業はまた来月もまったく同じやり方でやることになります。 したがって、作業をパターン化することが可能です。
パターン化すると何がいいのかと言うと、その仕事が誰でもできるようになるということです。 今まで経理の仕事は簿記の知識が必要な専門職の仕事でした。
ほとんどの会社では、パソコン会計を導入しても、昔伝票を書いていたときとまったく同じように、空白の伝票画面に仕訳をはじめから入力するというやり方が続けられています
(ひどい会社は、ご丁寧に伝票を書いてから、入力しているところもあります)。
ご注意いただきたいのは、パソコン会計を導入しただけでは、昔とかわらないということです。
会計ソフトにベテラン経理社員のノウハウを移行してはじめて、処理がパターン化され、誰でもできるようになるのです
(4)
必要性のない仕事は止める
その他、実際に合理化をすすめていくときは、誰も見ない帳票を廃止したり、同じような帳票を統合していったりして、無駄な仕事をドンドン排除していきます
(本当に「何でこんなことやっているの?」という摩訶不思議な仕事が多くてビックリします。
担当者に聞いてもほとんどの回答が「以前からやっているから」と理由にならない応えしか返ってきません)。
(5)
経理の仕事は3日で終わる
このようなことを積極的に進めていくと、経理の仕事は3日もあれば終わってしまいます。
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